「そういえば。どうしてノンフィクション作家になったんですか?」
 僕は編集氏に異世界に繋がる道があるらしい場所に案内されていた。
 場所は先ほどのカフェから少し移動した郊外。
 少し寂れた商店街を通り抜けている。
 道中、暇を持て余した編集氏がそんな質問をしてきた。

「まさか続きがあるとは思っていなかった」
「なんの話ですか?」
「こちらの話です。どうしてというのは?」
「いえ、まだ話を聞いたことがなかったなあと思って」
 編集氏は足を止めないまま、空を見上げる。

「朝目を覚まして、寝ぼけ眼をこすりながら『うーん、そうだ。今日からノンフィクション作家になろう!』とは思わないじゃあないですか」
「神さまになれと言われたからです」
「冗談は面白い原稿を渡してからにしてください」
 一番難しいことを言う。
 僕は腕を組みながら、うーん。と唸る。

「大学卒業してから就職できずにいた時期があるんですけど、その時、とある雑誌が原稿持ち込みしているのに気づいたんですよ」
 当時の僕は就職がしたい。というよりは、このまま無職だと社会に存在することも許されないんじゃないか。という怯えの方が強かった。
 つまるところ、めちゃくちゃに焦っていたのだ。『原稿持ち込み』に対して履歴書を送り込むぐらいには。

「傍から見ると迷惑な人ですね」
「過去の自分ながら恥ずかしい話です」
 冷たい目で見てくる編集氏に、僕は肩を縮める。
「一応、一緒に原稿と呼べるであろう文章もちょっと送りましたよ。なんだっけな、心霊スポットに行った時のブログ記事だったような」
 アフィリエイトでお金を稼ぐか。なんてことを考えて少しの間だけやっていたブログだ。
 PVも稼げなかったのですぐに辞めたけど。
 そして数日後。応募先から採用のメールが届いた。
 僕がノンフィクション作家、あるいはルポライターとなるきっかけはつまり、持ち込みからだったのだ。

「なるほど。つまり就活で焦っていなければ、こうして異世界に行くことになるようなこともなかったと」
「人生なにが起きるか分からないの代表格になれそうな気がします」
 着きましたよ。と編集氏は指さす。
 シャッターが降りた店と店の間。人がひとりギリギリ通れる道。
 そこには確かに、ゆらゆらと空気を歪ませている、ゲートらしきなにかがあった。

***

 ブログを書くにともない、一体なにを書くべきか。
 書くからには、人に読んでもらいたい。
 読んでもらうからには、楽しんで読んでもらいたい。
 しかし、新人編集の文章って誰が好き好んで読んでくれるのか……?

 そんなことを考えながら第1回を恐る恐る書いたのですが、思ったよりも読んでもらえていたようで一安心しています。

 なぜあんな冒頭にしたのかは謎です。ただブログを書くよりは読んでもらえるかな……? と思っただけです。
 第2回でも同じような流れにしましたが、続けて書くかは決めていません。
 そんなわけでこんにちは。新人編集えむもとです。

 ブログ第2回になります。
 前回はCOMICユニコーンとは一体何なのか? というお話をしましたが、今回はweb持ち込みについてお話をしようかと思います。

 COMICユニコーンでは現在、web持ち込みを開いています。

 パソコンでトップページを開いてもらうと右の方にあると思うのですが、それです。連載作品一覧の下にある『持ち込み募集』の欄です。
 スマホの場合だと、右上の『三』をタップしてもらうと表示されると思います。
 ブログを開いたままだとランキングの下にあります。

 こちらリンクです。

 COMICユニコーンは『異世界ファンタジーのコミカライズ』を専門とするレーベルですので、コミカライズの作画をやってみたい! という方を中心に募集しております。

 もちろん、異世界ファンタジーが描ける方も大歓迎ですが、ユニコーンで連載している『異世界⇔地球間で個人貿易してみた』のように、現代と異世界を行き来する作品や、『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』のように、いわゆる現代ダンジョンもの作品もありますので、現代舞台の作品でも大歓迎です!
(個人的には原作案も読んでみたいな。とは思っているのですが、現在は作画のみの募集となります。ご了承ください)

 前述のようなお話をしましたが、web持ち込みをすることになにか制限があるわけではありません。
 誰かに読んでもらいたい。見てもらいたい。誰かの意見を聞いてみたい。
 どんな理由でも構いません。とにかく何かをしなくては! の気持ちでもOKです。履歴書はさすがに困りますが…。

 コミカライズ作画希望の持ち込みって、恐らく他では中々見ないのではないかな? と思っているので、たくさんの応募の方、お待ちしております!